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夢現の闇(後編) [物語(徳川家康)]

注意

※最初に、「注意事項」をお読みください。
※この物語は、作者の妄想百%でてきております。 ※この物語は、グロ表現があります。
※三成くんの設定が、公式ではあまり公表されていないため、史実を中心に組んであります。
※出演しているキャラの性格が、公式やあなたの中のイメージと違う場合があります。



……以上をよくご確認のうえ、納得できた方のみ、下記のリンクをお開きください。  
  
 夜明けとともに、案内役の佐助を先頭に、武将達が幻龍斎のアジトへと向かい、それを取り囲む。
 少し離れたところにある茂みの中に、ランマルと茶猫が身を隠す。

「…茶猫様、私も佐助先輩達のところに行きますが、合図があるまで決して、ここから動かないでくださいニャ。今の三成様は、例え貴女でも確実に殺してしまいますニャ。いいですね? 佐助先輩の合図があるまで、決して動かないでくださいニャ」
「…分かった。ランマル君も、気を付けてね」

 茶猫が頷き、身を屈めてうずくまると、安心したように頷いて、ランマルは地面に潜って行った。

 やがて、アジトの戸が開き、黒ずくめの男達が出てくる。その奥で、同じように黒い衣装を纏い、冷たい目をした三成が、凛とした声で叫んだ。 

「………隠れていないで、出てきたらどうだ? ここを囲んでいるのは、分かっている」
「…随分と、変わったなりをしているな、三成。貴様等の頭はどうした?」
「幻龍斎様の手を煩わせることはない。まとめて地獄に送ってやる。かかれ!」

 三成が手を上げると、男達が一斉に武将達に襲い掛かる。三成は、刀を振り上げて信長に切りかかる。彼は、それを軽く受け止めながら言った。

「…なかなか、いい顔をするな、三成。いつも裏方に徹しているお前とは随分違って、楽しめそうだ」
「うるさい! 貴様のその首、幻龍斎様の願望の礎としてやる」
「やれるものなら、やってみろ。俺も、手加減はせん。本気で来い!」

 二人の剣が交じる度、秀吉達にも不安がよぎる。が、目の前の敵が想定外に手強いことに気付く。

「秀吉、こいつら、意外に手強いぞ…」
「政宗…。当たり前だろう、こいつらの上に、あいつがいるんだ」
「…三成、か…。厄介なことになったな」
「でも、勝ち目が無い訳じゃないでしょ、二人共」
「家康…。それもそうだな」
「あいつがもたらした情報の上を、俺達が行けばいいだけ。あいつは、信長様に任せて、俺達はこいつらを取り押さえることに専念するしか、ないんだからね」
「…家康の言う通りだ。分かったら、奴らを倒すぞ」

 少し離れたところで奮闘する佐助と光秀を見据えながら、男達と奮闘する三人。やがて、一人捕らえ二人押さえ、全ての男達を取り押さえた。
 信長の方を見ると、右腕から血を流している三成を追い詰めているのが見えた。これで終わる、その場にいた全員がそう思った時、アジトの奥から初老の男が現れた。それを確認した佐助が、小さく茶猫に合図を送る。

「三成くん!!」

 茂みから飛び出して来た茶猫に全員が振り返る、と同時に素早く三成が彼女を拘束し、頭に短銃を突き付ける。それを見た幻龍斎が、下賤な笑いを上げながら言った。

「…武器を捨ててもらおうか。その小娘の命が惜しければ、な」
「…くそ…」
「いいのか? 小娘ごと、三成も殺してもいいんじゃがのう…」

 幻龍斎の言葉が終わるくらいで、三成がお互いを貫けるように短銃の位置を変える。信長が刀を捨てると、他の武将達も刀を手放した。

「……形勢逆転じゃのう。三成、信長を撃ち殺せ」
「……御意」
「…三成…くん…、駄目…」
「三成! やめろ!」

 震える銃口が信長に向けられた時、地面から小さな猫の手が生えて、極小サイズのタル爆弾が置かれる。茶猫がそれを蹴ると爆発し、四方八方に白煙が上がり、二つの人影が動いた。と同時に銃声が響き渡る。
 煙が消えると、三成を秀吉が、茶猫を佐助が、それぞれ引き離して確保していた。銃口は天を向いていて、誰にも当たらずに飛んで行った。三成を見つめていた佐助が、何かを確信したように、秀吉に伝える。

「…秀吉さん! 三成さんに声をかけて! やっぱり、あなたの声にだけは、違った反応をしてます!」
「分かった!…三成、落ち着くんだ…」

 秀吉が穏やかに三成に話しかけると、彼は大きく頭を振りかぶり、その腕から逃れようともがく。右手は、固く握りしめた短銃をはなそうとしない。その二人を見つめながら、政宗が佐助達のところに駆け寄った。

「佐助、一体どういうことだ? 茶猫を危険な目に合わせるなんてこと、聞いてないぞ」
「政宗、あのね、昨夜、秀吉さん達とこの作戦を立てたの。多分、幻龍斎はぎりぎりまで出てこないから、雑魚を押さえて、あいつが出てきたら私がわざと人質になって、三成くんを幻龍斎から引き離そうって。幻術の上掛けされたら、手遅れになるかもしれないから…」
「それと、鷹狩りで信長様を襲った後、ほんの少しだけど、秀吉さんの声で術が解けていたんじゃないかって思ったんです。だから、自分が犯した罪の重さに耐えかねて、死のうとしたんじゃないかって…。それは、今回見ていて確信しました」
「もし、外れていたらどうするつもりだったんだよ」
「外れていても、茶猫さんを確実に救助するプログラムは立てていましたから、問題ないです」

 胸を張って言う佐助に、何も言い返せなくなる政宗。ふん、と鼻を鳴らした後、再び秀吉達の方を見る。
 抑え込まれ、まだ必死にもがいている三成の耳元で、秀吉が根気強く話しかける。

「三成…、落ち着くんだ…。お前は、こんなことができる子じゃないだろう…」
「は…なせ…! くそっ…!……っ…」
「そうだ、三成。俺の言うことをよーく聞くんだ…。大丈夫だ…」
「…っ………やめ………やだ………」

 三成の手から短銃が落ち、体が小刻みに震え始める。秀吉は、彼の体を強く抱きしめながら、宥めるように声をかけ続ける。それを見ていた幻龍斎の顔色が変わる。

(これはいかんな…。かくなる上は、奴を操るか…)

 二人の動向に目を奪われている家康。その目の前に、音もなく幻龍斎が現れた。それに気付いた三成が叫ぶ。

「…!! 奴の目を見るな!!…………!!」
「…!」
「危ないニャ!!」

 叫ぶと同時に、秀吉の腕の中で意識を失った三成。
 慌てて、自分の両目を腕で覆う家康の前に、土の中から飛び出して来たランマルが、幻龍斎の両目をひっかいた。あまりの痛みにもんどりうっている彼を、政宗と光秀が縛り上げた。
 そして、信長の前に引きずり出された幻龍歳。まだ、不気味な笑みを浮かべている。

「……随分と、なめた真似をしてくれたな。覚悟はできているんだろうな」
「……ふははは…。例え、儂が滅んだとしても、儂の野望を受け継ぐものが、この日ノ本に大量に潜伏しておる…。貴様は、生きている限り、その首を狙われ続けるのじゃ…。そして、三成は…儂のものじゃ…。地獄の底まで、…道連れにしてやる…」

 下賤な高笑いが続いた後、突然、幻龍斎が動かなくなった。慌てて脈をとると、すでにこと切れていた。それと同時に、奴に操られていた男達も、次々に死んでいく。

「…! 三成…」
「大丈夫です、信長様。三成は、自力で術を解いたからだと思うのですが、影響を受けていないようです」
「そうか…。光秀に政宗、操られていた者は亡骸を寺に預け、懇ろに弔ってやれ。幻龍斎の首は、この信長を狙った愚か者として城下に晒せ。あとのものは城に戻れ。いいな」
「御意」

 信長の一言で、今回の事件はすべて終わった。

 ………このときは、本当の『地獄』が、この先にあることを誰も知らずにいた…。

(終編に続く)


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